コンサルタントの神様

2014.01.10

2014年1月10日

この年末に渥美俊一さんのチェーンストア理論の商品構成についての本を読んだ・・・

渥美さんとは、船井幸雄さんのライバルとされており、この2人を元祖コンサルタントの神様と言われていた人なのである。

 

ネットショップはライフサイクル上では疑いようのない成長期である。

そして、私が支援先にお伝えしている戦略は全て、ビックストアになる戦略・・・これは、何かしらチェーンストア理論と繋がる部分があると思い読むことにしたのだ。

 

本を読んでみてかなり衝撃が走った・・・

 

私は社内でもかなり、船井流に詳しい方だと自負している。この5年間、書籍は元より、実際に船井総研において20年以上コンサルタントをしている人のみに興味を持ち接触し続けてきたからだ。

もちろん、コンサルティングを行う際に『長所進展法』や『包み込みの発想』や『ランチェスターのシェア理論』などソフトの概念的な部分はかなり活用させてもらっているがしかし、実際にネットショップの業績アップの方法は全て自分で考えてきた。

明確なノウハウは存在しないなか・・・それでも業績を上げなければならなかったので必然と言えば必然なのだが・・・

だから、1年目の中途半端にしか船井流をしらない人からは『ガジさんは全然船井流じゃなないですね!ガジさんは我時流ですね』などと言われていた。

これを聞くと・・・自分は船井流について詳しいと思っている私は・・・自分が船井流を使っていると思っている私は、非常に違和感を感じていた。

 

かなり回りくどくなってしまったが、この『チェーンストア理論』を読んではっきりした事は・・・

私の具体的な考え方は、全くと言って良いほど、『チェーンストア理論』だったと言う事実だ!

 

自分の思っていなかった事実に一瞬なんとも言えないショックを覚えるものの・・・

コンサルタントの神様と呼ばれる人と同じやり方だった事にマンザラでもない気持ちを覚えたお正月だった。

さらに言うと、渥美さんはアメリカのチェーンストア理論を日本に持ち込み『コンサルタントの神様』と呼ばれていたのだから自分でそれを創り上げた自分は・・・

 

それでは、このへんで本日の本題に入ろう!

以下に『チェーンストア理論 商品構成』を読んで自分用にまとめたメモを記載したので暇な人は目を通して欲しい。

【チェーンストア理論・・・商品構成】
チェーンストア理論とは、大衆の生活水準を向上させるのが最終目的でありその実現には
製造小売しか実現は不可能と言う立場から経営戦略を立てている。
そして、量販店作りは、あくまで製造小売を実現させるための物量の確保のための準備段階であった!
チェーンストア理論における最終のMDの形がTPOS(タイム・場所・場面・ライフスタイル)ごとの商品提案であり
つまり、客層ごとのMDである。しかし、この時に需要なのはグレードを揃えなければ合わせ買いには繋がらない。
チェーンストア理論の大原則は物量の確保と大衆の消費支出のどれだけのシェアを獲得するかであるために高購買頻度で誰でも購入する物だけを品揃え無ければならない。
むしろ、高級品や趣味品は物量が確保できないので取り扱ってはならないと言う発想だ!
しかし、ネットの様に『売場(店舗数)の制限がない』『在庫リスクがない』と言う特性を活かせるのであれば上記の通常ご法度の品揃えも問題ない。
チェーンストア理論のごりあくを教授できるのは、1商品(品目)の製造小売に成功した時ではなくそれを繰り返すうちに部門レベルで同一グレードにて製造小売商品が揃った時に初めて、最大の利益が手に入る。従って、本当に長い年月がかかる。
《MDの3大原則》
①用途(TPOS)で客層を捕らえろ
②単品(この単品は船井流の用語)強化により深さを持つ事が重要
③上記のMDが売場に反映されていないといけない
《適正規模とは》
他社との差別化が可能な品揃えの事をさし、自動的に売場面積とも連動する。
規模を拡大するのは良いがその際は売場の伸び率に応じて、部門数を増やしてはならない。
売場が2倍なら部門は1.5倍程度にし、その代わり各部門の深さを追求する必要がある。
深さとは、品目レベルやこれまで取り扱っていない用途(TPOS)や在庫量などを強化する事をさす。
また、上記の考え方プラス作業効率という視点を付加しなければならない。
ネットショップで言う所のSE(システムエンジニア)を内製化するや海外で人件費の安い人を雇用するなどである。
この効率化を考えずに規模を拡大すると売上の伸び率が比例しない。
《回転率について》
品目ごとに上下して良いが、品目内で上下してはいけない。それは、単純に仕入れ方を見誤っているだけだから!
《ディスカウントとチープの違い》
チープは・・・既に存在する製品の流通構造を工夫(卸を抜かす・大量仕入れなど)する事により安くする行為
ディスカウントは・・・製造や加工の段階から工夫する事により安くする行為
《割引の幅》
アメリカの場合・・・チープ3割~4割 ディスカウント4割~7割(それ以上の場合もある)
つまり、日本のディスカウントストアはアメリカで言う所のチープに当たる。
《SB(ストア・ブランド)とPB(プライベート・ブランド)》
チェーン化を進めるに当たり、SB(ストア・ブランド)やPB(プライベート・ブランド)は必要不可欠であり、
その商品開発は、トレード・オフと言う考え方から商品化すると、成功確率が上がる。
SB(ストア・ブランド)・・・既存のナショナルブランドを客層にあわせて改良する事により安くしたしな!
PB(プライベート・ブランド)・・・客層が求めているのに世の中に無い場合、お店が主導となり作成する商品!
《トレード・オフとは》
多機能で高価格で販売実績のある商品を使用用途を絞る事により、その用途には不必要な用途を削除する事により従来からは比べ物にならない低価格の商品を作りだす事である。この商品こそが本来のディスカウント商品である。
《商品ラインとは》
品目のごとの価格幅のことを指す
《価格ラインとは》
商品ラインの中の具体的な価格の事を指す。三桁の店舗数の店では1つの品目に価格ラインは4個以内にするのが買い易い!二桁の店舗数では5個まで、多くても7個以内。コモディティーグッツやコンビニエンス性の高い店舗は、1~2個に絞り上げなければならない。つまり、価格ラインは1~5個が適正と言える。
《プライス・ポイント》
価格ラインの中でも最も指示される価格ラインの事を指す。在庫はアイテムごとにも適正か確認するがその結果このプライス・ポイントの在庫量が最も多くなっているかも確認しなければならない。
《特売について》
日本の特売とは予算が行かない際や在庫処分の際に急遽行われる事が多いが本来は、通常とは違う特別な販売をするのだから準備に1年をかけてもいいくらいだ。
《特売の種類》
①コレクション特売
 1、シーゾナブル(季節商材による)特売・・・季節商品かつ必需品の品目を通常より拡大させる事により売上を伸ばす。
 2、シーゾナル(これまで取り扱っていない商材を取り扱う)・・・邸購買頻度商品などを集めて売上を伸ばす。
②プライス特売
商品ごとの特化のタイミング
 1、ナショナルブランド・・・新発売時が最大の割引
 2、ストアブランド・・・マス化を計る際に最大の割引
 3、プライベートブランド・・・新発売が最大の割引
《特売実施のスケジュール》
52週MDを21ヶ月前には立案
上記のMDについてどの様な商品を取り扱うか仕入先と18ヶ月前に相談
※ここで気を付けないといけない事は、ホット商品が売れている期間は長くて18ヶ月・・・従って、計画段階では何が売れるか分からないので実質的には仕入先のデットストックを履けるための特売が行われているのが現状。しかし本来は、半年や3ヶ月前に再度商品を見直す事が必要。これを行うにはそれなりの信頼関係が必要である。
特売が当たるかどうかは、従業員が事前に予約しているかどうかでわかる。
従業員が買わないような特売はそもそも当たらない。
そして、この予約は動く事のない売上の頭数なので、まず従業員に特売が行われる事を周知徹底する事が必要である。
アメリカでは、特売の売場が写真やスケッチにより本部から支持されており、その際の作業人時数や人件費まで指示がされている。
その店ごとの特売品目ごとに販促方法は変更しなければならない。
《製品開発》
注意点
①未熟(小規模)なうちからスタートしないと後手になってしまう
②商品開発は空白マーケットにて行わなければならないが、空白マーケットの探し方の始めの発想を『未熟・貧しい』と言う立場からスタートさせなければならない。『成熟している』と思うと『ニッチ・高級品』な商品開発になってしまい。物量が確保できずに上手く行かない。商品開発には、あくまで市場規模(物量)が必要。
③『未熟・貧しい』市場を見つけるには、その商材の先進国を見るや顧客の声をかき集める必要がある。絶対に現在の市場を見ても存在はしない。
《ブランドの種類》
目的別分類
P,B(プライベートブランド)・・・ナショナルブランドにない品種での商品開発
S.B(ストアブランド)・・・ナショナルブランドのある品種での商品開発
H,B(ハウスブランド)・・・各社が共同にて開発した物
コントロールラベル・・・A級メーカーに製造させたS.B
内容別分類
クオリティーブランド・・・品質を特に重視したもの。NBより値段が高い可能性が高い
プライスブランド・・・NBよりとにかく安い
competitiveブランド・・・他社と価格面において競争するための商品。最安値である事が条件
ジェネリック・・・competitiveブランドの一種だが、従来使われていない素材や加工方法・流通構造を使用する事により圧倒的低価格を実現する。
《『S.B』『P,B』の目標》
①売価・・・『S.B』業界平均の80%~70%『P,B』業界平均の50%~75%
②粗利率・・・業界平均の10~15%多い
③同質継続無限供給
④構成
 1、品目数の2割
 2、陳列量の4割
 3、売上高の3割
 4、粗利額の5割
⑤外国産地構成比5割
⑥1人のマーチャンダイザーの担当範囲は5~10品目、1人のバイヤーの担当範囲は50~200品目。メーカーや食堂の場合は1人1~2品目。仕入れるなら品種単位
⑦2~4週間にて納品が原則
⑧本質
 1、メーカーの作れないものを補う(NBと売価や容量が少し異なるだけなら作る必要はない)
 2、使う(食べる)人の立場からのニーズに応える
 3、日常使うもの
 4、大量生産品でないもの
《商品知識の入手の順序》
A 初級 (現場で基礎勉強中に)
 ①正確な品名と材質名とその種類と区分の仕分
 ②1、仕入原価と売価・・・自社・競合・一般市場・メーカーや産地側の希望小売価格
  2、粗利益率・・・厚利と薄利の商品を認識しなければならない
 ③実際の暮らしでの使い方
B 中級前期(訓練中)
 ④セールスポイント・・・品目ごとに購買決定の決め手になる急所がある
 ⑤ホットアイテム・・・消費が伸びつつある品目とその程度
 ⑥プライスポイント・・・どの値段あたりが一番払い易いかと言う目安
C 中級後期(アシスタント可能)
 ⑦品質基準・・・検査基準と許容限界
 ⑧工場、産地の勢力関係とメーカーごとの占拠率と在庫
 ⑨工場と産地で生産中の商品の傾向
D 高級(バイイング可能)
 ⑩工場や産地がこれから作ろうとしている商品の特色とその理由
 ⑪少なくとも自分に近い⑤段階の加工原価の内訳
 ⑫材料の性質とコストと入手経路
E 仕上げ(製品開発可能)
 ⑬加工場の資金繰りの時期的変化
 ⑭加工場ごとの加工能力とそのシステムの長所と短所
 ⑮欧米チェーンストアのマーチャンダイジングのシステム
本日伝えたい事:『もしかすると、神様は自分が神様とは気付かないのかも知れないね』

 

 

 

 

 

 

 

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