現在、最強のMD(品揃え)と言われているのが『客層別グレード別MD』と言われている。
この『客層別グレード別MD』を正しく理解して使いこなせているのは下手をすると船井総研の中でも5人前後の可能性もあるくらい非常にややこしく分かり難い。
簡単に説明すると客層を『目玉商品が欲しい人』『おすすめ商品が欲しい人』『定番商品が欲しい人』の3種類に分類し、グレードをそれぞれ上、中、下の3つに分類する事により9種類のどの様な人でもその店に来れば欲しい商品が存在するような品揃えをする為の確認表なのである。(厳密には空白のマスも存在するので9種類全員の欲求を満たすことは出来ないと思う)
これを、本当に使いこなす人はグレードを10段階に切り分けたりする。つまり、それだけグレードの違いを認識しなければ10段階に分けることは不可能と言う事である。
基本的にこのグレードの分け方とは、(F:本質的機能価値+f付加的機能価値)×(S本質的視触覚価値+s付加的視触覚価値)により分けられる。
本質的機能価値とは『はさみ』で言えば切れ味が鋭いことを指し、付加的機能価値とは缶切りが付いているなどが上げられる。
視触覚価値とは手触りや見た目のデザインなどを指し、本質的視触覚価値とは、繊維で言うとコットンなどの自然素材による肌触りを指し、付加的視触覚価値とは、刺繍などの人工的なものによる付加価値の事を指す。
上記の4種類の価値によって10段階までグレードが分かれる。
しかし、現在はこの様な商品の価値のみで人は購入を決めているのであろうか???
もちろんこのグレードと言うものも商品のライフサイクルによって2グレードから3、6、10グレードに分解されていくのであるが・・・
お祭り用品の通販を例に挙げるのであれば、お祭りは日にちが決められており、年にその日1日しか使い道がない商品になる。従って、お祭りまでに手元に届かなければ価値は0と言う事になるので即納(即日に出荷し少しでも早く納品できる)出来るかどうかが非常に重要な購買動機になってくる。
この『即納』自体には商品の価値は関係ない無いが顧客からすると大きな価値を有している。この様な価値は一般的には接客と言われているがライフサイクルが進むにつれて接客力が差別化の大きな要素を閉めていくのでこれからは無視できない。
上記の様に接客も合わせて商品価値だと言い出すのであれば最強のMDである『客層別グレード別MD』も変化を付けなければ成らない。
そして、もし私がその変化を付けたMDに対して名前を付けることが出来るのであれば『客層別欲求別MD』と名付けたい。商品価値も接客価値も全ての根源は顧客の欲求を満たすためのみに存在するからである。
従って、その単品に求める顧客の欲求を客層別に満たせるMDと言う事だ。
現時自分の中ではある程度MD表は存在するが、まずは絶滅種になりかけている『客層別グレード別MD』を今年1年をかけてマスターしその上で発表したいと思う。下手をすると現在の認識そのものが間違えていては元もこもないからだ。