放浪記15カ国目の国は・・・
日本からすると古くから貿易などで馴染み深いオランダ。
私の中でのオランダにいくまでのイメージは
「偏見の無いフラットな国=大人な国」
マリファナがソフトドラック指定になっており合法化されていると思えば
カフェインなどもソフトドラック指定にしようとしていたり
政府が子供を捨てる為のボックスを設置しようとしたり・・・
それぞれの理由を聞けば全て、なるほど!そう言う視点もあるのか!と一定の理解もできる。
つまり、ヨーロッパの中で1番興味のあった国だった。
私の旅の目的は、以前にも書いたが、多くの「気づき(16乗)」を得る中で人類にとっての善を探す。と言う事だ。
旅に出る前には事前にその国の事は色々調べてから行く。
歴史、宗教、公用語、政治体制、人口、人口密度、首都人口、男女別平均年齢、一人当たりGDP、軍事力、食料自給率などなど・・・
オランダに到着して3日目・・・
何も気づきがない!
イギリスに行った際は1日目に3〜6ヵ月に1度レベルの気づきが5つも出て自分でも驚いたほどだった。
私にとってこの旅は、1大プロジェクト。
莫大な時間とコストと機会損失を払いながら進めている・・・
しかし、一切の気づきはない。
焦る・・・
マリファナが合法で体験できるコーヒーショップなるお店にも行ってみた。
私は吸わなかったが、リプトンの紅茶だけを頼み。
店の1番奥に座り煙だらけのなかで45分ほど店内やお客さんを観察するが
全てが事前情報のイメージ通り。
若者からお年寄りまで幅広い見た目の人がマリファナを楽しんでいるだけ。
マリファナの紙タバコへの包み方をその場で知っただけ。
気づきは一切見つからない。
そして1度思い切って諦めて見た。
義務感にかられた視野ではどうせ何も見えないから。
ヨーロッパ5カ国目になると結構似てる部分もある。
とりあえずオランダまで着てしまったので楽しむしかない。
そこでアムステルダムは街の中に水路が多く張り巡らせあるのが有名らしく。
そこを足こぎボートで自由に回遊できるという情報を手に入れ。
早速、次の日に足こぎボートをレンタルする事にした。
気づきを見つけるまでは、なるべく多く散歩をしたりスーパーなど現地の人の生活を体験しようと色々行なっていたが諦めたからにはいけるだけの観光地に行って見た。
そんな事をしていると、足こぎボートレンタルショプについたのは18:28。
そこでお姉さんにボートを1つ借りたい旨を伝えると、既に全て貸し出しており貸せないと言われた。
正直、オランダを観光すると決めてから1番楽しみにしていたのがこの足こぎボートだった。
だからこそ、最後まで残しておいたのに・・・
ここで諦める訳には行かない。
そこで私は、待つと伝えると・・・
「店はあと2分で受付終了だ。出ていけ」と言われた・・・
海外の店員さんは厳しい。
しかし、結論から言うと、なんとか足こぎボートを借りる事はできた。
その高揚感と達成感に満ちながら、ふと1つの疑問が生まれる。
私は、異国の地で、英語も喋れないのにどうやって交渉を勝ち取ったのだろうか?
私の英語力を知っている人は「昼間から酔っ払っているのか?」と思うレベルと称してくれた。
そんな私がどうやって、商談をまとめたのか?
これは冷静に分析する価値があると思い私が行なった行動を以下に整理して見た。
1、「店はあと2分で受付終了だ。出ていけ」と言われたのでその場は一旦、店を出た。
まず、ボートが帰って来ない限りは、架空の設定で交渉できるだけの語学力がないからだ。
2、ボートを待っている間。レンタルショップの店の窓から店員のお姉さんに見える川べりの場所を調整し、そこでに座り、これでもかと言う猫背の姿勢で黄昏ながら川を眺める。
3、定期的にボートが帰ってきていないかチェックしに行く。
4、そして、いつもの黄昏スポットに戻り、お姉さんに目線を合わせてから、うなだれて川べりに座り込む。
5、この流れを3往復する。
6、ボートが帰って着たので再度、レンタルショップに行ってボートを貸して欲しいと伝える。
ボートが無いから貸せないと言われる。ボートは既に帰って着ている事を伝えるが受付が既に終了していると断られる。そして、営業時間の説明を受ける。
※この時の語学力=①アイウォントトゥレンタルボート②ゼアー(ボートの方向を指差す)
7、それは全部理解してる事を伝え、それでも借りたい事を伝える。借りる時間が正規より短くても良いとも伝える。
※この時の語学力=①オールアンダースタンド ②ショートOK
8、この辺でまたお姉さんが再度キレ出す。
9、お姉さんをなだめる為に、理解した旨を伝える。
※この時の語学力=オールアンダースタンド。
10、そして最後に、渾身の寂しそうな顔で「しかし、今日までしかアムステルダムにいないんだ。せっかく日本から来て、オランダの1番の思い出にボートを借りたかったのに、ここのボートに乗れるチャンスは人生でもうこれっきりかもしれない」と伝える。
※この時の語学力=①バット、アンティルツディ、アムステルダム(ほぼ表情だけで上記を伝えた)
11、するとお姉さんが、「もう仕方無いなぁ〜時間には絶対に遅れちゃダメだよ!」と笑顔でボートを貸してくれた(気がした)。
何が言いたいか?
日本だと日本語と言う交渉する際の武器を持っているので恐らく、口だけで交渉を続けて居ただろう。
確定もしていない近未来の状況を想像してもらって、その上で交渉を続けていただろう。
しかし、日本語と言う最大の武器を失った瞬間に私は突如、以下の3つの武器を使いこなしていた。
①タイミング
②交渉までのこちらの姿勢
③情に訴えかける表情
上記の武器の使用に気づいた私は同時に①や②に関して日本でも場合によっては無意識的に使いこなしてた事を思い出した。
例えば、関係性の作れていない社員さんには何も提案しない。などがそれに当たる。
関係性の作れて居ない人に対して提案をすると言う事は=その人を否定している事にしかならない。
しかし、関係性が作れている状態での提案は、その人がより楽に結果を出すためのプレゼントになる。
同じ言葉を発してもタイミングを間違え、否定されたと感じた人は絶対に私の提案で動いてはくれない。すなわちコンサル失敗に繋がる。そこまでこじれた際は、業績アップをする際のタッグを変えてもらうしかない。
しかし、これは武器が使えないから自然と体が覚えて使っていた技であり・・・
この事に気づいたと同時に、これまで日本語だけで結果的に説得できてきた事でも、他の武器を使っていればもっと楽に、もっと効果的に結果をだせて居たのではないだろうか?と言う思いに狩られた。
上手く行っていない時に、やり方を変えるのは誰でもするかも知れない・・・
そうではなく。
結果を出したやり方をブラッシュアップではなく
抜本的に変えると言う
1つ次元の高いPDCAが存在する事に気が付いた、そんなオランダの夕方であった。