5話にわたり『社会人に知って欲しい5つの話』と題して以下の5つの話をしていこうと思う。
1話目、自由な人生の送り方
2話目、目指せ不存在デメリット
3話目、達人に成る為の2万時間の法則
4話目、成長の3ステップ
5話目、番外編 奈良で暮らす仙人の話
本日はその2話目『目指せ不存在デメリット』
第1話にて自由の必要性とその正体についてお話させて頂いたが・・・
みなさんは自由を手に入れる為に、さらなる力と言う物をビジネスマンとして、現在の会社において付けて行くことになるのだが・・・
本日はその前に、会社に存在する4種類の人について話したいと思う。
これは私が新卒で入社したコンサルティングファームにて、その入社前にその会社の採用責任者からしてもらった話をしたいと思う。
私の内定者時代に内定者全員が集められ・・・以下の話をしてもらった。
会社の社員は以下の図のように4つ分けることが出来る。
①存在デメリット
②不存在メリット
③存在メリット
④不存在デメリット
そして、新入社員は全てもれなく、①の『存在デメリット』からスタートする。
これから頑張って働くぞ!と鼻息荒く話を聞いていた私にとってはかなりショッキングな話だった。
君たち全員、存在するだけで会社にとってはデメリットでしかない。と言われたのだから。
その理由として教えてもらったのは、新卒を採用するのには採用コストという物がかかっており
私たちにかけられた1人当たり採用コストは1,000万円以上と聞かされた。
※この金額は非常に高額な例だが、地方の企業が東京六大学から新卒を獲得しようとすると1人当たり採用コストは400万円前後はかかる。
つまり、新卒とは会社にとってマイナス数百万円からのスタートである。
さらに、全ての事を1から教えなければいけない時点で、効率は悪く、またその際に稼ぐはずの先輩社員の時間を奪っているので機会損失を与えている。
これでは、存在自体がデメリットと言われても仕方がない。
しかし、採用責任者はこう続けてくれた。
『でも、存在デメリットで良いんだよ』と・・・
誰しも初めは不存在デメリットなのだから
そして、ほとんどの人は才能の有無は関係なく真面目に3年くらい働ければ、もらっている給料以上に稼ぐ③の存在メリットになれる。
※ちなみに適正労働分配率から考えると、もらっている給料の3倍は稼がないといけないがそれが出来る人を存在メリットと呼ぶ
しかし、真面目に働いていないとその内、その人が居ない方が会社の雰囲気が良くなり仕事がやり易いと仲間から思われる人が出てくる
その人の事を②の不存在メリットと呼ぶのだが、これにだけならなければ①の存在デメリットは問題ない。と伝えてくれた
また、③の存在メリットにさえなってくれればそれで良くて、④の不存在デメリットにはならなくても良いと
この④の不存在デメリットは成れればそれに越したことはないが、不存在デメリットに成れる人はごく限られているからだ
夫婦関係でも夫が死んだら私は生きていけないと・・・
そんな関係の夫婦がかなり稀なように、会社にとってあの人がいなくなったら会社は困ると言う不存在デメリットの社員は社長を除けば非常に少ないだろう。
採用責任者はこんな事も話してくれた。
『新卒3年以内でやめる人の一番多い理由は、『この会社は自分に向いていなかったから』と言うのが多いが、3年も働いていないのに何故,自分に合っていないと言うのが分かるのだろうか?せめて存在メリットになってこれまでの借金を返してからやめて欲しい。』
少し話は変わるが・・・
女性バイオリニストの高嶋ちさ子さんがTVで以下の様なコメントを残されていた。
『私は小さい時から回りに天才だとか言って頂いていましたが、自分で『自分はバイオリニストとして向いているなぁ~』と思える様になったのはバイオリンを始めて20年が経った22歳の時なんです。』
高嶋さんは20年続けて初めて自分にとってバイオリンがあっている事を確信したと言う。
新卒が3年以内にその会社に合うか?合わないか?判断するのは非常に難しいだろう。
つまり、3年以内に辞めるのはどんな理由をつけても『逃げ』以外の何物でもない。
それをどの企業の採用担当者も知っている。
だから、優良企業の採用担当者は中途採用の際に履歴書を見ただけで、以下の2つの条件のうちどちらか1つでも当てはまれば面接すらしてくれない。
①前職を3年以内に辞めたことのある人
②転職をこれまでに3回以上している人
①の人はまた自社に入社しても逃げてしまう可能性があるからだ。
②の人は例え、3年勤続を5社行なっていたとしても完全に逃げぐせがついてしまっている。
これはあくまで確率論の話をしている。私の支援先の社員さんでも10回目の転職でその会社にとって存在メリットになり、5年以上働いてくれている人は複数人見てきている。
しかし、採用とは非常に難しい。
実際、採用面接だけでその人を判断するのは至難の技だ。
従って、応募の多い優良企業はまず確率論において高確率で直ぐに退職しそうな人を書類の時点で足切りしてしまう。
逆の発想をすれば、上記に当てはまる履歴書でも採用する会社とは、よっぽど人が足りていない会社と言うことだ。
つまり、採用しても採用しても人が退職してしまうかなり劣悪な環境の会社の確率が高まってしまうということだ。
※これも確率論の話ではあるが・・・
この様な本当のことは最近の会社ではなかなか教えてくれない。
こんな事を言えば、時代遅れの会社だと思われ逆に退職率を上げかねないからだ。
特に2019年までは人不足で企業にとって退職率を下げることは非常に重要なことだったので尚更言えないだろう。
※また会社からこれらの事を言われると本気で冷めてしまうのも分かる。だから私の支援先では毎年同じ話なのに外部の私が話に行くのだから。
でも本当の事とは耳触りが良いか悪いかは別として時代に関係なくそこに存在する。