私はこうして営業が嫌いになりました。

2020.11.12

世の中には営業が嫌いな人がいる。
私も漏れなく、その1人であった。

私が営業を嫌いになったのは忘れもしない大学時代にホテルのアルバイトでクリスマスのルームサービスにてフルコースを配膳した時のこと。

ビジネスホテルでは無くそれなりにしっかりとしたホテルのクリスマスシーズンは12月24日前後1週間ほど大繁盛だ。
24日は家族で過ごすが・・・家族以外とも過ごそうと思ってる人は、人目のつく高級レストランではなく22日や23日にホテルのルームサービスにてフルコースを食べる。

実際に、私がルームサービス初日にホテルの偉い人から上記のことを教わり、年齢差がすごいカップルが居ても・・・同性のカップルが居ても絶対にジロジロ見ないように注意された。

初日の配膳が全て終わった時に、上記の注意をしてくれた偉い人が、その日の配膳をしたアルバイトを集めてカンカンになって怒っている。
理由はフルコース以外にワインを一切販売していなかったと言うことだ。

今から15年ほど前の話なので、今ほどワインも一般的では無く。当時何度目かのワインブームが来ていた頃だが高校生や大学生のアルバイトがワインを販売すると言う発想はない。

しかし、偉い人曰く『ワインを売らないと儲けが出ないのに、何を呑気に料理だけ運んでいるんだ!ワインも売れないのか君達は!!』とすごい形相。

素直な私は、翌日からワインを積極的に売ることにした。
でもいつ?なんと声をかけたら良いか分からない。

そこで、私は昨日のお客さんの動きを思い出すことにした。するとみんな共通してあるタイミングの時に同じ姿勢になることを思い出した。
それはワインリストを見た瞬間の男性の反応だ。

そのホテルでは、お金を払いそうな人のメニュー表にだけ料金が表示されている。

滋賀県の田舎で1人2万円のフルコースでも背伸びしているのに、そこにさらにオプションで5,000円〜25,000円のワインリストを出された瞬間
これも頼まないといけないのか?と全員細かいメニュー表の金額を良く見る為に前かがみになる。

この瞬間に私は勘違いしたフリをする事にした。

『あっ!このお客さんは前のめりになって顔を近づけてワインリストを眺める程のワイン好きな人なのか!』

と勘違いしたフリをして、実際にお客さんに『ワインがお好きでしたら、最上階のフランス料理店から特別にソムリエをお呼びする事も出来ますよ。その際は、ここに載っていないワインも注文できるので是非!』

この言葉をかけられたお客さんはソムリエを呼ばないが、必ずワインを注文する。

ソムリエを呼ばれては最低でも25,000円以上のワインを頼まなくてはならないので8,000円程度のワインで傷口を最小限に抑えようとするからだ。

この法則に気づいた私は2日目から1週間全てのお客さんにワインを売った。

ただし、1組を除いて。

その1組とはヨレヨレのTシャツを着て1人2万円のフルコースを背伸びし、彼女の為に用意した大学生風のお客さんだ。
流石に同世代として、お財布事情も分かってるのでそのお客さんにだけは「無理にワインを頼む必要はないですよ。お水は無料ですので」とそっと教えてあげた。

この日の夜は、その1組みに対してとても良いことをしたような気持ちで満足感に浸っていたと同時にこれまで無理やり買わせていたお客さんの顔が
記憶の中で、みんな顔がひきつっていた様に見えてきた。

この時だ。

私が営業を嫌いになったのは・・・

営業を嫌いという人は大きく分けて以下の2種類が多いように思う。

①売れないのにノルマに追われて精神的に疲弊し嫌いになる
②そもそも、人に売りつけたくない

私は完全に②であった。

次回は、そんな私が営業が好きになるきっかけになる『サンタクロース営業』についての話をしたいと思う。

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