広告費に多額の経費をかけるなんて馬鹿らしい方へ

2022.02.08

まずはタイトルと少しそれるように思われるかも知れないが・・・
私は以下のフードロス削減の為に食品が最大無料で購入できる通販サイトを運営している。

https://tokupochi.com/

この通販サイトの特徴は、月額の会員をもらう事により小売業としての中間マージンは貰わずに運営するので食品を無料(送料は別途もらうが)で販売するということが可能になった。
運営を始めてまだ20週間だが、お陰様で20週連続で食品廃棄0を達成している。
※まぁ最後は無料で配っているので廃棄がでないのは当たり前の話なのかも知れないが。

このビジネスモデルはみなさんから凄いと言ってもらえるが・・・
しかし、実際は特にそんなに凄い訳ではなく、私がコンサルタントとして稼いだお金を全て毎月の赤字にあて、それでも足りない分は銀行から借りているだけのいたってシンプルな募金事業なのだ。

一応、月額の会員が2万人を突破するとその会員費だけで毎月運営はしていける試算になっており現在会員数は約2,500人。
ここが8倍に増えるのが先か?私のお金が全て尽きるのが先かという話。

つまり、会員数を増やさない事にはこの事業は成り立たないのだが今だに広告費は使っていない。

広告費を全て否定するつもりはないがそこにあまり多くのお金をかけたくない。
そこにお金を書けるなら、顧客還元をして、お客さんに喜んでもらい、口コミが発生するようなサービスにした方がよっぽど良いと思う。
広告費を使っても、広告配信をしている企業が喜ぶだけで、お客様は喜ばないからだ。

そして、口コミも起こらないようなサービスは世の中に必要とされていなかったと真摯に受け止めて潔く諦めるつもりだが
まずは自分のお金が全て尽きるまではその判断はするつもりはない。

トクポチという事業は、フードロス削減の為だけに有益なビジネスモデルではないと思っている。
もしもトクポチが黒字化する事が可能になれば、一過性の募金や政府の援助などにより継続できるサービスではなく自分たち収益の中で
持続可能なサービスとして社会問題が解決できるという事例は非常に多くの業界に対して波及的効果があると思う。
もしもトクポチが成功するなら色んな業界の人達に、この事例を活用して欲しい。

その様な未来の為に、私1人の全財産をかけるのは宝くじを買うよりは夢が買えるだろう。

そして、ここからやっと本題だが、この口コミが起こるようなサービスにすることが大切で広告費に頼ったサービスは不毛だというような考え方はアメリカでも徐々に広がっており、そこで生み出されたのがネットプロモータースコア(以下NPSと記載する)という指標だ。

これは自社が口コミを発生する可能性がどれだけあるサービスを展開しているかを見えるかする為にたった1つの質問をお客さんにするだけで良いという考え方。

そのたった1つの質問とは・・・

「あなたはトクポチ(会社やサービスやブランド名)を友人や同僚に紹介する可能性はどのくらいありますか?1〜10段階で教えて下さい。」

たったこれだけだ。
お客様の名前やメールアドレスや住所など、面倒な項目は一切聞かなくて良い。

そして、ここで面白いのはNPSの計算式だ。
10に近づけば近づくほどそのサービスを紹介する可能性が高まるのだが実際には

①9〜10点=本当に紹介してくれる人
②7〜8点=中立な立場
③1〜6点=批判的な立場

上記のように各点数を解釈し、②の中立の人を一旦無視して、①ー③の人数でポイントを出す。

つまり、仮に①が30% ②が50% ③が20%だった場合は

①30% – ③20%=NPS 10ポイントになるのだ。

ただ、実際は日本人の評価は非常に厳しくプラスになる企業はほとんど存在しない。
以下はNTTコムオンラインさんが集計している業界別のNPSランキングだ。

https://www.nttcoms.com/service/nps/report/

業界問わず日本で一番NPSが高い企業で、NPS+0.8ポイントだそうだ。

証券会社の業界1位の企業でNPS-51.4ポイント。

そんな中トクポチは以下の数字になった。

①9〜10点=本当に紹介してくれる人=50%
②7〜8点=中立な立場       =31%
③1〜6点=批判的な立場      =19%
※小数点以下四捨五入

つまり、NPS +31ポイントになった。
これはあくまで現時点のサービスレベル。

このアンケートは定期的に行うことでサービスレベルがどのように推移しているかPDCAを回していく事になる。

具体的にいうとこの質問と、もう1「上記の点数をつけた理由はなんですか?」という質問をしているのだが
トクポチの場合は②の中立な方の意見として品数がもう少し多くなると紹介したいという意見が多いので、品数をもっと増やせるように商品調達を引き続き頑張り、この②の人たちに①になってもらうように努力する。

そして、③の否定的な人の意見としては、送料が高いという意見が多いので、送料をさらに下げる為にどうすれば良いかについて考えなければならない。
ただ、すでにいくつか案は出ているが全てもっと会員数を増やして規模を大きくしないと実現できない事ばかりなので、直近でできる施策としては、商品調達を強化する事に全社のリソースを集中するという選択になり、それ以外はリソースを割かないという結論になる。

この様にして、徐々にNPSを向上させて行きながらサービスレベルを高め、世の中に必要とされるサービスに進化させていくという経営手法は非常に精神衛生上も健全なのではないだろうか。

※ちなみに、広告費を全て否定するつもりはないと言った理由としては、トクポチが黒字化さえすれば全ての利益は販促費に当てて早急に会員数1,000万人を目指し日本におけるフードロス削減に対して一定のインパクトを与えるサービスにするつもりだからだ。

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