ランチェスターの法則に対する疑問

2012.07.31

7月31日

上層部から『ノウハウ本は読むな。ノウハウは現場で真剣に向き合ったら勝手につくからどうせ本を読むなら小説を読みなさい』と言われて司馬遼太郎の『峠』を読み出して早半年。やっとの事で上・中・下巻を読み終えた。

要するに今日はこの本を読み終えての感想文を書こうと思う。

半年かけて読み終え一番初めに浮かんだ感想が題名の『ランチェスターの法則に対する疑問』であった。

そもそも、ランチェスターの法則とは?うちの会社が経営戦略を練る際に用いる最もポピュラーな理論である。

一般的に『ふわっと』ランチェスターの法則を捕らえている方にとってはゲリラ戦に持ち込めば弱者でも強者に勝ち得る可能性が高まると言う戦略として捕らえ方も多いだろう。

本日はもう少しだけ詳しく説明しよう。※あまり詳しくは書くのが疲れるのでまた直接聞いてください。

この理論の起こりは、1914年に勃発した第一次世界大戦時にフレデリック・ウィリアム・ランチェスターと言う航空工学のエンジニアが『孫子は100倍の兵があれば絶対勝てると言い、秀吉は10倍の兵があれば絶対勝てると言ったけど実際、絶対勝てるギリギリのラインの兵力って何倍なん』と言う疑問に対して第一次世界大戦時の戦闘機の数と勝敗を統計的な視点から答えたのが始まりである。

そして、出た答えが2.8倍と言う答えなのだがこの数字は武器の性能がある程度一緒であれば兵士のスキルやメンタルに左右されずに必ず勝てる数字だとされている。

このランチェスターの法則はそのまま日本においては商圏内のシェアをどの様に獲得するかの戦略のを立てるのに使われている。以下のシェアごとに戦い方が存在する。

74% 独占シェア
55% 相対的独占シェア
42% 相対シェア
31% 寡占化シェア
26% トップシェア
19% トップグループシェア
15% 優位シェア
11% 影響シェア
7% 存在シェア

元々は1対1の戦いにおいては両軍の兵士数を100%とした際に自軍が74%あれば絶対勝てると言う所からきているのだが、これはヨーロッパなど大陸で通用する話。日本のように領土が狭く商圏どうしがかぶっている場合は戦う相手が複数存在する。この様に5社以上の複数戦においては26%のシェアを獲得すれば商圏内における1番店になれると言う理論を元に戦略を立てる。

ここでやっと本題であるが、『峠』を見て『主人公の河井継之助の戦い方』を見て感じたのがこの兵士の能力や闘志に関係なく2.8倍の兵力があれば勝てると言う法則に対する疑問である。

峠は事実に基づいて作られた小説なのだが実際に戦場では、大将の一言で形成が逆転する事が多々存在する。つまり、兵士の闘志において戦局は大きく左右されている。

現在は情報が溢れかえる事により、『物』も『サービス』もある程度の品質を保たれておりそこでの差別化が非常に難しくなっており、どの業界でも人間による俗人的な差別化を出来ている所が輝きを増している様に思われる。

つまり、経営を考える上で自社が2.8倍の力(人・物・金・情報)を有していたからといってこれまで通り絶対に安泰と言うのは徐々に効かなくなってくるのではないかと感じる。

本日伝えたい事『継之助の様な思想が好きである。』

 

 

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